以降で、事例別のノウハウ、解法についてもまとめておきます。
まずは事例Ⅰからです。事例1において、LECをはじめとするテキストに、
- レイヤを意識すること
とあるのですが、当初はそれが何を意味しているのか、理解が出来ませんでした。
最終的な私の理解として、①経営戦略、②組織構造、③組織の活性化(組織文化、高次学習)、④人的資源管理(モチベーション、能力開発)のどれを求められているかを理解して解答を行うと解釈しました。
この4つの考え方について、少し整理をしておきます。
経営戦略
まず、経営戦略です。経営戦略として、まずはコアコンピタンスの意識をしっかりと持つようにしました。与件ごとに、この企業のコアコンピタンスは何かを必ず考えるようにしました。この意識づけは、実務で事業戦略を考える際にも活かされています。
コアコンピタンスを明確にした後の基本的な戦略としては、コア事業は自社にて技術・ノウハウを蓄積し、ノンコア事業は外部リソースの活用していく、となります。コア技術を活用しない製品や事業展開は、経営資源の分散によるコア事業の競争力低下を招くリスクがあるため、中小企業診断士の提案として避けるのが一般的な考え方です。コア技術が活かせる隣接領域への事業拡大が基本となります。
また、コアコンピタンスを考慮するうえで、VRIOの部分を意識しておくと強みをより深く整理することができると思いました。ポイントは、①模倣困難性があるかどうか(Imitability(模倣可能性))、②組織文化に根付いた強みであるかどうか(Organization(組織))です。強みを問う問題が設問1によく出題され、強みが複数与件文に存在する場合は、VRIOの考え方をもとに①、②に該当するかどうかを判断し、優先順位を整理しました。
中小企業として、ポーターの競争戦略に照らし合わせた場合、①コストリーダーシップ、②差別化、③集中化戦略のうち、大概②か③のパターンです。該当企業が進むべき競争戦略を意識しながら、設問文、与件分を読み進めていきます。
また、私が不合格となった際に出題された、アンゾフの成長マトリクスですが、市場軸と製品軸のマトリクスで整理されます。多角化は経営資源の分散を招くため回避、が基本となります。
ちなみにWEB上で、2次の出題内容から、各年度にあだ名がつけられているのですが、2020年度は「アンゾフの年」、2021年度は「豆腐の年」で集約されたようです。
また、近年の事例1の出題として、事業継承として後継者育成が問われる問題がよくでます。2020年度はグループ総帥に向けた次期経営者に対する提案内容。2021年度は、営業しない広告代理店出身のドラ息子が出題されていました。
また、経営の基本は売上向上、顧客満足度向上と費用削減だと思っています。これは実務でも同じですが、必ず経営戦略として意識しておくようにしました。
組織構造
次は組織構造について。組織構造は、機能別組織、事業部別組織、マトリクス組織がほとんどです。
- 機能別組織:組織的対応、資源重複の回避、専門化、環境変化に対応しにくい
- 事業部別組織:意思決定迅速化、後継者育成、部門間の対立が起こりやすい
- マトリクス組織:部門間連携強化、意思疎通活性化、指示系統が複数となることによる混乱
実際の現場において、私の感覚では、マトリクス組織でうまくいっている企業をあまり見たことがありません。最近の出題でもあまりマトリクス構造は出題されていないように思います。
組織文化
組織の活性化は、バーナードの組織成立要件(共通目的、貢献意欲、コミュニケーション)を基に考えるようにしていました。
与件の企業が経営危機に陥った要因分析をさせる設問がよく出題されますが、外部環境分析だけではなく、内部環境まで言及することで加点が狙える場合が多いです。
人的資源管理
人的資源管理は、能力開発とモチベーションにわかれます。
- 能力開発:OJT、Off-JT、自己啓発
- モチベーション:衛生要因と動機づけ要因を分けて記載すること。衛生要因が改善されても従業員の満足度向上につながらない。
人事施策は”さちのひもけぶかいねこ”が施策として基本なのですが、どれを選ぶかは与件に沿った回答をすることが極めて重要だと感じました。
事例Ⅰについては、上記のどのレイヤのことを問われているかを意識することで、かなり合格点に近づく解答ができると思います。あとは、与件に寄り添い、基本に忠実に分析・助言を行うことで、点数が安定しだしてきました。


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